フィラリア予防についてのよくある質問
診察をしている時に「気になることはありますか?」と伺うと、フィラリア予防についての質問をいただくことが多くあります。
今回はよくいただく質問をまとめましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
また、基本的な内容につきましては以下の記事にまとめてありますので、こちらも参考にしてください。
うちの子完全室内飼育なんですが予防しないといけませんか?
基本的には予防をおすすめします。
もちろん散歩に行く子と比較してリスクが低いことは間違いないと思います。
しかし、室内でも蚊は侵入してしまいますし、万が一感染した場合のことを考えると予防を行なった方が良いと思います。
ただ、狂犬病ワクチンと違って強制ではないので最終判断はご家族にお任せします。
市販の予防薬でもっと安いものがあるので、それでもいいですか?
おすすめしません。
市販されているもののうち、明らかに安いものは獣医師が言うところの予防薬ではありません。
そのような製品のほとんどは蚊を遠ざけるような成分が含まれているのですが、これは予防薬ではなく忌避薬と呼ばれます。
簡単に言うと蚊取り線香の成分を体につけている感じです。
予防効果は少なくとも自分の知る限り未知数ですので、おすすめしません。
飲ませた後に吐いたのですが、大丈夫ですか?
まず副作用的な意味合いで考えると、予防薬は非常に安全性の高いお薬のため大丈夫な可能性が高いです。
ただ、何事にも例外はあると思うので、2〜3ヶ月投与後にのみ吐く場合は製品を変えることを検討します。
次に効果の面で考えると、吐いたタイミングによって変わってきます。投与後すぐ嘔吐し予防薬が出てきた場合、予防効果は乏しいと判断します。
一方、投与から数時間後に嘔吐した場合は、ほとんどの場合で予防効果があると言われています。
コリー系犬種なのですが予防薬を飲んでも大丈夫ですか?
コリー系犬種は生まれつき薬への反応性が高く、一部のお薬で副作用が出やすいことが知られています。
イベルメクチンに代表される駆虫薬も副作用が心配されるお薬の一つです。
ただ、基本的にフィラリア予防で用いるお薬の量であれば副作用が出ることは稀であり、そのあたりは十分に検討されたうえで予防薬は販売されているので安心してお使いください。
予防薬をあげ忘れました。どうすればよいですか?
フィラリア予防薬は特定の段階のフィラリアを死滅させるお薬なので、数日のずれは問題ありません。
気にせず飲んでいただき、来月から元のサイクルに戻してください。
1ヶ月飛ばしてしまった場合についても、効果を発揮する可能性が高いため、そのまま飲ませてください。
しかし、フィラリアが成長するにしたがって効果が落ちることが知られているため、予防薬を飲みつつ投薬忘れの日から数えて約6か月後に検査し、感染状況を調べるのが最も良いと思います。
猫にも予防した方が良いですか?
予防をお勧めします。
完全室内飼育であれば感染の可能性が低いのは間違いありません。
ただ、蚊は普通に室内に入ってきてしまうので、完全な予防はフィラリア予防薬の投与となります。