
犬の「かゆみ」は、飼い主さんにとっても見ていてとてもつらい症状のひとつです。
体を掻き続けたり、舐めたり、赤くなった皮膚を見ると「早く楽にしてあげたい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
犬のかゆみ止めのお薬にはいくつかの種類があり、原因や症状によって適した治療が異なります。ここでは、当院で使用することの多い犬のかゆみ止めのお薬について、わかりやすくご紹介します。
1. ステロイド(商品名:プレドニゾロンなど)
犬の痒みの治療において昔からよく使われるお薬です。
今は後述するような痒み止めがたくさん存在するため、使う機会は減ってきているかもしれません。
しかし、ステロイドは最も安価で、効果も良いため、副作用に注意して使用すれば非常に良いお薬だと思います。
また、塗り薬が存在する点は非常に大きなメリットであり、一部分だけがかゆい子では、うまく使えば塗り薬だけでの管理も可能です。
2. シクロスポリン(商品名:アトピカなど)
こちらもステロイドと同様、昔から使われているお薬です。
薬価がやや高く、投与初期には嘔吐をよく認めますが、非常によく効きます。
当院では他のお薬で痒みがイマイチ治らない子によく使用します。
また、先発薬とジェネリック薬でく効果の差を認めるという話をよく耳にするため、当院でもまずは先発薬をお出しし、効果が認められた後、安価なジェネリック薬に変更することが多いです。
3. オクラシチニブ(商品名:アポキル)
近年非常によく使われる痒み止めです。
副作用が少なく、効果が現れるまでの時間も早いため、非常に使いやすいお薬です。
ただ、維持期には原則として1日1回の投与に変更しますが、そのタイミングでかゆみのぶり返しを多く認めます。しばらく我慢すればおさまる子もいますし、完全にぶり返してしまう子も中にはいるので、適宜判断が必要なお薬です。
4. イルノシチニブ(商品名:ゼンレリア)
昨年発売された新しい痒み止めです。
発売からの日が浅く、不明点も多いですが、当院で使用した感覚だと非常に効果的です。特にオクラシチニブで上手く管理できなかった子でも管理できることが多く、当院ではイルノシチニブの使用頻度が高くなってきています。
ただ、発売からの日が浅いため、副作用のチェックを目的に定期的な健康診断をおすすめしています。
5. ロキベトマブ(商品名:サイトポイント)
注射薬タイプの痒み止めです。
1ヶ月に1回の注射で効果を示し、理論的にも体感的にも副作用が非常に少ない点が特徴です。また、ステロイドなど他のお薬との併用も基本的に問題ないため、頑固な痒みに対して追加で投与することもできます。
速効性を求めて使うお薬というよりは、長期維持に向く印象があるお薬なので、当院ではかゆみの長期管理の際に使用します。
かゆみの治療は、症状の程度や生活環境によって、途中で治療内容を見直していくことも少なくありません。
当院では、その時々の状態を確認しながら、できるだけ負担の少ない治療を一緒に考えていきます。
愛犬のかゆみが気になる場合は、お気軽にご相談ください。

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2026.01.17
