歯周病について
歯周病は、歯とその周りの組織に炎症が起きる病気で、歯の表面につく汚れとその中の細菌が原因と考えられています。
最初は歯肉炎からはじまり、歯肉がうっすら赤くなります。それを放置すると炎症が広がり、歯周組織(歯肉、セメント質、歯根膜、歯槽骨)といった箇所にも炎症を起こし、様々な症状が出てきます。
主な症状
• 口臭
• 歯茎の腫れや出血
• 歯のぐらつきや脱落
• 食べるのを嫌がる
• よだれが増える
・くしゃみが多い
診断
口の中をチェックし、判断します。また、正確な診断を行うため、鎮静をかけて検査をする場合もあります。
治療
初期の歯肉炎であれば、お家での歯磨きで対応できることもあります。歯周病に進行している場合には、基本的には麻酔下での処置が必要になります。具体的な処置は以下のようなものです。
スケーリング
歯石の除去を行います。当院では超音波スケーラーと呼ばれる器具を使用するので、より早く、より綺麗に歯石の除去を行うことができます。麻酔下で行うことにより、起きている時には除去できない微細な汚れも徹底的に取り除くことができます。
ルートプレーニング・キュレッタージ
歯周ポケットの汚れを取り除き、歯に歯肉が再接着できるようにします。
ポリッシング
歯の表面をツルツルに磨きます。これにより新しい汚れがつきにくくなります。この工程を行わなければ、歯の表面がざらざらなままなので、歯石がつきやすくなってしまいます。
抜歯
歯周病が進行している歯は抜歯しなくてはなりません。犬と猫は奥歯の根っこが二股や三股になっているため、奥歯を抜くときは歯科用のドリルを使用します。
抜歯が必要な場合、犬や猫では歯肉を切って骨を削る処置が必要となることがあります。これは人の世界では「歯医者さん」で行う処置ではなく「口腔外科」で行うような処置が多く含まれています。
予防
毎日の家でのデンタルケアが歯周病予防に最も有効です。コツコツ頑張って見てください。歯磨きが難しい方は、歯磨きの指導、有効性の高いデンタルケア用品の紹介も行えますので、お気軽にご相談ください。
デンタルケア用品
当院で取り扱いのあるデンタルケア製品を紹介します。
インターベリー
当院ではデンタルケア製品として「インターベリー」を取り扱っております。
動物のお口のケア用品では珍しい医薬品扱いの製品なので、効果が期待しやすく、保険適用にもなります。
使い方は1週間に2回、歯茎にインターベリーを塗り込むというものなので、歯ブラシが苦手な子たちにも使用しやすいのでおすすめです。
デンタルケアフード
ヒルズ製品で歯が汚れにくくなるという製品があります。従来はt/dと呼ばれる製品のみで、小型犬では食べづらかったですが、今は小型犬用、猫用の製品も出てきているので、ご興味があればお声かけください。